【海外と日本の違い】世界にはない日本文化4選!ニッポンの好きなところとは?

外国にない日本文化を知ろう。日本の良さを海外目線で考える。海外との違いを考えながら日本文化を深掘りするのはあり。今回は、外資系企業に勤めるライターさんに「海外にない日本文化」を書いてもらった。

*参考資料:本記事は、政府統計人口動態調査内閣府男女共同参画局厚生労働省人口統計推移を参考に作成しております。
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1 「間」は日本人の美学

 

日本独自の「間」は世界でも類を見ないくらい重要なポイント。別の言葉でいうと「余白」や「距離感」「空気を読む」など「見えない」抽象的な美学がある。

西洋の絵画やお花の生け方はまんべんなく、余白を余すことなく豪華に表現されているのが特徴である。一方で日本の絵画や華道には余白があると言われている。

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例えば、世界で最も有名な日本人といわれる葛飾北斎は「余白」の天才であったといわれている。代表作でもある「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」も余白を巧みに活用した絵画の一つであり、「The Great Wave」と言う名で海外で親しまれている。

北斎をはじめとする日本の美術や工芸は、ゴッホやモネをはじめヨーロッパの芸術家たちに大きな影響を与えた。

一般的に西洋画は「足し算の美学」と言われているのに対し、日本画は「引き算の美学」と言われている。日本画はいかに必要最低限の美しさを表現できるかが重要なのである。ここに日本の美の本質がある。

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また茶の湯を大成した千利休の逸話はたくさんあるが、なかでも有名なのが、『茶話指月集(さわしげつしゅう)』に記されている朝顔の逸話。

秀吉は、利休の屋敷の露地に美しい朝顔が咲き乱れているという噂を耳にし、朝顔の茶の湯を所望した。当日、秀吉が利休の屋敷を訪れると、庭の朝顔は一株残らず引き抜かれて、何もなかった。あっけにとられながら茶室に入ると、床には見事な朝顔が一輪だけ入れてあり、これには秀吉も大いに感心したという話である。利休の大胆な趣向だが、美しい朝顔をたくさん見せるのではなく、その中からよりすぐった最高の一輪だけを見せたのだ。

花の美しさを一種あるいは一輪だけに集約させることも、利休の茶の湯の花の特色であったと言えるだろう。「間」を大切にする美学は日本人独特であり、世界でも高く評価されている。

2 お花見はすごい日本文化

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花見は日本独自で「海外」にない文化。海外では外での飲酒が法律で禁止されている所が多かったり、冷めてしまった料理をそのまま食べる習慣があまりないことが挙げられる。

桜の下でお酒を飲み、色彩華やかで「冷めてもおいしい」お弁当を囲むお花見は、やはり日本独特の風習といえる。

春になれば、天気予報にならんで桜の開花情報がテレビで報道されるなど、日本人にとって桜は特別な存在なのである。

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では、なぜお花見は桜でないといけないのだろうか?その理由として、古来日本人は桜の花には神が宿ると信じていたことがあげられる。

サクラの「サ」は田の神、穀霊のことを言い、「クラ」は座、すなわち神座のことを言う。サクラは穀霊の宿る花として崇められた。

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人々は今年の豊作を約束してもらおうと、満開の花の下で神様をもてなす。それが花見の宴のご馳走とお酒。

お供えした人は神様と一緒にのみ食べ、さらに芸も披露して神様を楽しませる。これを神人共食という。

お花見は単に花を見て美味しい物を食べるのではなく、本来は人と神とが自然のなかで関わりあう大切な行事。

3 水の豊かさ

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海外のレストランでお水が有料であることに驚く日本人は多い。私たちは普段意識しないが、日本は水に恵まれた国である。

日本の降水量は年平均1718mmあり、これは世界平均880mmの約2倍に相当する。

筆者がオーストラリアに留学した際、ホームステイ先のシャワー時間が5分以内と決められていたなど驚いた。

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毎日お風呂に入るのが当たり前の日本人にとっては考えられないかもしれないが、オーストラリアは砂漠が多いなどの理由から水不足が深刻である。

一方、日本では「湯水のごとく使う」という言葉があるほど水に対しての関心が低い。日本は良質な水に恵まれており、これによって様々な文化がもたらされた。

例えば、茶の湯、出汁、日本酒などの食文化の発展である。京都で茶の湯の文化が開いた理由の一つとして、山に囲まれ、水が豊富であったことが挙げられる。茶道の宗派の一つである武者小路千家は、代々守り継がれてきた井戸があり、毎朝その水を汲み上げる。

茶会や稽古はその水でお茶を点てる。それほど良質な水は茶道にとって欠かせない要素の一つである。

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さらに日本食において、日本の水はカツオ節やしいたけなどの出汁のうまみを短時間で引き出す。特に昆布は軟水により出汁成分が多く抽出されるため同じ日本でも、硬度が比較的高い東京では京都より昆布の出汁が引きにくいとされる。

また、日本酒は京都の軟水を使ったものを女酒、兵庫の灘の硬水を使ったものを男酒という。このように水と食文化は密接な繋がりがあり、地域によっても異なる特徴を持つ。

逆に言えば、もし日本がこんなに水に恵まれていなかったとしたらこのような文化が生まれることはなかっただろう。

4 自然との調和を重んじる文化

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自然と共存しようという思想は日本文化の本質とも言える。それが西洋のように、自然と対立し、克服しようとするのではなく、自然との一体化・同化を望んできた日本人の考えである。

自然のなかに人工の領域を執拗に把握することが西洋人の態度であり、それが西洋建築に如実に示されている。それを人間中心的態度とよぶとすれば、われわれ日本人の態度はきわめて自然的である。

例えば、建築にもみられるように日本家屋には縁側があり、人々は暮らしの中で自然との繋がりを大切にしていた。縁側は人と自然とを繋げる空間でもあり、家の中にいながら季節の移ろいや天候を感じるのが魅力である。

 

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西洋は自然に対立して人間がその存在を維持しようとする態度であり、日本は、人間が自然のなかに姿をかくして、それと融和しようとする態度である。また、人間は自然の一部であるという独自の自然観を持ち、自然との調和(共生)を図ってきた。

このように、日本は国土の大半において春夏秋冬が明確にわかれている国であるが故に、日本人は四季の移ろいや自然の変化を繊細に感じ取ることができる。こういった地理的な影響を受け、自然豊かな日本は独自の世界観を創造してきたと考えられる。