ラオス移住の現実。悲惨な生活になる?ヴィエンチャンは物価が安いのか?メリットデメリットのリアル

ラオスに移住体験をしよう。ビエンチャンへ移住すると悲惨な生活が待っているのか。物価が上がり生活は難しくなるのか。実際に移住できるのかどうか体験してみた。

1 世界で最も何もない首都?

「世界で最も何もない首都」として知られるラオスの都市ヴィエンチャンは、その名の通り観光としては他国の都市に劣るような未発展な場所。悪く言えば目立つモノがないが、良く言えば発展していない国の繁栄していく様子を楽しめる都市。

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東南アジアの国に増えてきた都市部の大きなビル群やスクランブル交差点のような人が入り乱れる場所も少なく、原付バイクに2人乗りをしてヘルメットをかぶらずに運転している光景が見れる場所でもある。

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かといって、発展していない環境かと言うわけでもなく、最新の電気自動車が街中を走っていたり、煌びやかなショッピングモールもある。ただ、街でもクレジットカードが使えないもののQRコード決済が発展しているところを見るとリープブロッグ現象といわれるような、カエルがピョンッと飛びこえてステップアップしている近代的な部分も楽しめる。

2 ラオスの首都は年々人口増加している

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ヴィエンチャンは現在、人口が100万人弱となっている。2005年は70万人だった人口は、2015年には84万人となり、2021年には97万人に届く勢いで増えている。日本で言えば、ちょうど千葉市と同じ人口となっている。

100人近い人口がいるとは言え、そこまで人が多いと感じるような印象はない。単純にヴィエンチャンの面積が広く、千葉市の14倍もの広さがあるため人口密度が低いのもある。

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街の中心部を散策しても、たくさんの人が溢れているような場所はショッピングモールくらいな印象。もちろん暑さや雨の影響もあるが、土日でもそこまで混まない。歩いている人よりも車の数のほうが多いくらいだ。

日本貿易振興機構 ジェトロ ラオス概況・基本統計

3 1953年までフランス領だった歴史

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首都の中心部であれば、比較的英語が通じる場所が多い。 1893年にはフランスの保護国とされ植民地帝国の一部となった時代も長かったことから、ちょっとした西洋さも感じることができる。

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例えば、フランスのパンのようなハード系のバケットが本格的な食感と香りでおいしかったり、フランス料理、ベルギー料理など、ヨーロッパの食を楽しむこともできる。

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1953年にラオスは独立したが、今でも道路や教育、都市計画などフランスっぽさが残っているのを感じられる。未完成だが観光スポットにもなっている『パトゥーサイ』はパリのエトワール凱旋門を模倣したと言われているのもおもしろさ。

4 ラオスのヴィエンチャンはネット環境は悪い?

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東南アジアのなかでもダントツでネット環境が悪い。都市部のヴィエンチャンでは、ホテルでも100Kbpsの速度さえも出ない場所もあった。ユーチューブの動画はもちろん見れないし、グーグルマップの写真さえ表示されないスピード。

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ただ場所を選べばネットスピードが早いところも見つかる。世界の『スターバックス』は安定してそこそこいいネット環境が使えるし、ヴィエンチャンから始まった地元カフェ『Joma bakery cafe』ではよりリーズナブな料金でライスコーヒーを楽しみながらネット環境を確保できる。

残念ながらラオス用のSIMを準備していたが、ほとんど圏外の状況になり使えなかった。数年前の発展途上国でよく感じていたネットスピードの遅さを今現在でも体験することができる。

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ただし、そこそこ大きい資本のホテルのネットスピードは早かった。この文章を執筆している今現在はリバーサイドのホテルにいるのだが、ここは日本のカフェのフリーワイファイと同程度の10Mbps以上のネットスピードがでる。多くの途上国があっという間にネットスピードが改善されたような、ヴィエンチャンもおそらくもう数年経てば改善されるだろう。

5 ローカルフードは安い?

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路面店にあるようなローカルフードは安い。例えば、揚げパンのようなモノなら1つ15円で食べられる。ストリートフードは安くて地元の人たちにも人気。ただし、観光客にとっては食あたりになる可能性もある。

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グーグルマップで人気のローカルフードは、どんどん値上がりしている印象。ついこの前の口コミでは安くて美味しいと書かれていても、実際に行ってみると日本と変わらないくらいの値段で提供されているお店もあった。人気のインドカレー店では、以前は160円で提供されていたチキンカレーが今では2倍以上の360円に値上がりしていたりする。

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ラオスの通貨であるキップ安や世界的なインフレによる影響が関係している。日本も円安傾向が続いていることもあり、ラオスのような途上国でも日本と比べて高いと感じることもある。

6 クレジットカードは使えない?

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ヴィエンチャンには大きなショッピングモールがいくつかある。『Parkson Laos』は大きなショッピングモールでラオスの中でも都会を感じられておもしろい。

なかにはスターバックスが入っていたり、ロッテリアもあったりと外資のチェーン店も入っている。施設は5階まである大きな施設だが、まだまだ空きテナントも多いようで、2階からはポツポツと電気が付いていないエリアもある。

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おすすめは地下のフードコートとスーパーマーケット。フードコートはかなり綺麗な施設で、アジアの各国の料理をリーズナブルな値段で楽しめる。ラオスの麺料理が1杯237円で食べられる。味も美味しいので試してみるのもいい。スーパーも品揃えが最も豊富だといえるくらい整っている。お土産を買える場所として観光客にも人気だ。

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ショッピンモールではクレジットカードが使えるお店も多いため、現金がなくても利用できる。ラオスは銀行口座の普及率が低いこともあり、クレジットカードの保有数はかなり少ない。そのため、クレジットカードが使えるところが少なく、代わりにQRコード決済が普及している。ストリートフードやローカルなお店でさえQRコード決済が使える。

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よりローカルぽさもあるのが『Dmart』は陳列がキレイで品揃えも豊富な商業施設。日本のディスカウントショップくらい感覚で食材や飲み物、日用品やお土産を購入することもできる。ただし、クレジットカード支払いは手数料が3%かかる。コンビニのように使えるタイでもお馴染みの『BigC』も品揃えもよかった。

7 キレイなスーパーは品揃えもいい

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小さなスーパーの水は500ミリで30円程度。ラオスのキレイなスーパーでも日本と似たクオリティーの食材をよりも安く購入することができる。

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ただし輸入品は日本と同レベルかむしろ高いの価格だった。例えばチョコレートは1つ620円と日本よりも高い。お土産向けのラオス産のコーヒー豆は547と他の品と比べると良い値段する。

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今回は日本のスーパーのようなきれいなクオリティーの食材を提供してくれるお店に調査に行った。現地の一般のラオス人が利用するようなコスパよいお店は再度調査が必要。

ラオスの物価

スーパーの食料品

☑ 水500ml 29円
☑ 卵10個 226円
☑ 魚1パック182円
☑ ビール1瓶116円
☑ キレイな豚肉 100g 66円
☑ キレイな鶏肉 100g 54円
☑ コーヒー豆 250g547円
☑ チョコレート160g620円

2024年5月現在 1kip=0.0073円

8 1時間のフットマッサージが730円

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ラオスはマッサージが安い。都市部のヴィエンチャンでは1時間のフットマッサージが730円で受けられる。東南アジアのなかでもラオスのマッサージはかなり安い料金だった。

スキルも高く、タイでセラピストとして働いていた経験がある人も多いとのこと。セラピストの給与は月に3万円程度だと施術してくれた女性が話してくれた。ラオスの平均月収が9万円程度。アセアンのなかでも年収は低い。

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これほど安くスキルが高いマッサージが受けられる都市はあまりない。タイにもコスパが良いマッサージ店はあるが、近年は値段が上昇している。ラオスも値段が上昇しているがラオスの方が安い印象受けた。毎日コスパいいマッサージを受けながら暮らすことさえできる。

国際協力機構(JICA)ラオス概況

9 どんな性格がステレオタイプか?

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ラオス人は「見栄張り」「素朴」「真面目」というワードを聞くことがあるが、実際、感じることは日本人に似ていること。東南アジア先輩にもよるのなら、仏教や儒教の影響もあり共通する部分が多い。

ただしラオスはラオスなりの特徴があるように感じる。特に見た目の部分で言えば、偽物のブランド服を着たり、フェイクのブランドバックを持ち歩いている人が多い印象。そこそこ料金の高いレストランやカフェでも羽振りがいい。

他の東南アジアでも見る光景だが、ラオスはより印象強い。「見栄張りな性格でお金遣いがいい」のいう話もあるので直感は間違いでもないのかもしれない。

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それでいて「素朴」で「真面目」な一面もある。仕事が丁寧できれい好きな部分も感じられた。例えばアメリカのスーパーは商品の陳列が雑な部分をよく見るが、ラオスのスーパーは陳列がかなり細かく丁寧に整えていた。そのためもあってか、ラオスでは食あたりにあうことはなかった。東南アジアではお腹を下すことが多かったが、ローカルのショップに行っても体調崩すことがなかった。

現状、今感じたことをまとめたが、完全なる主観のバイアス。今後じっくり暮らしてみながらステレオタイプな性格を言語化してみたい。

10 ホテルは安い

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ホテルは比較的安かった。料金も個室で一泊ミニマム3000円程度から利用できる。朝食がついているホテルも多いため、ブランチのような感覚でラオス料理も楽しめるのがいい。

『リバーサイドホテル』は、側にホテルで評価も高く、中心地にあるため利用しやすい。ナイトマーケットへも行きやすいし、他のホテルと比べてネット環境も良かったのである程度の仕事ができる。また朝食もかなり豪華でおもしろかった。

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ヴィエンチャンは中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムをわたる東南アジア最長の河川、メコン川に沿って発展している都市。メコン川や雨季があり水が豊富にある。そのためもあってかシャワーの水圧はどこのホテルも強かった。

11 ヴィエンチャンは住みやすいのか?

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生活費は安い、ビールも安い、安くておいしいパンもあると選べばコスパ良く生活できる。

ブランチに43円の美味しいバケットと146円のコーヒーお供に仕事して、おやつに15円の揚げパン食べて、仕事した後は1時間730円のマッサージ受けるようなコスパいい生活もできる。ただし、安いものもあれば高いものもある。大半が日本と同程度の値段なので、質的にはそこまで安く生活できないかもしれない。

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ヴィエンチャンは「世界一何もない首都」と言われている。ただ一方で手付かずの自然が残る緑が美しい場所でもある。緑を感じられる雰囲気の良いカフェで仕事をしたり、行き詰まったら散歩をして広大な自然を浴びることもできる。何もないことに意味を感じられる人にとって、これほど良い場所はないはずだ。